チワワの眼球脱出(目が飛び出た状態)|症例・治療経過

眼球脱出とは、眼球がまぶたの外へ飛び出してしまう緊急性の高い病気です。
チワワなどの短頭種では、外傷や強い衝撃によって発生することがあります。

眼球を残せるかどうか、視覚を維持できるかどうかは、受傷から処置までの時間や眼球の損傷の程度によって大きく左右されます。

今回は、実際に来院したチワワちゃんの症例をご紹介します。


来院時の状態

来院時には右眼が眼瞼の外へ脱出していました。

来院時の症例写真を表示する(眼球脱出の写真が含まれます)
チワワの眼球脱出 来院時 正面
来院時(正面)
チワワの眼球脱出 来院時 上から
来院時(上から)

まず確認すること

眼球脱出では、まず眼球を残すことができるかを判断します。

  • 眼球の形が保たれているか
  • 重度の感染や壊死が起きていないか
  • 視覚が残っている可能性があるか

これらを総合的に評価した結果、この症例では眼球を温存できると判断し、整復を行うことにしました。


眼球を元の位置へ整復

整復直後の写真を表示する
チワワの眼球脱出 整復後
眼球整復後。黄緑色に染まっている部分は角膜潰瘍です。

眼球を元の位置へ整復した後、角膜に傷がないかを確認しました。

写真で黄緑色に染まっている部分は、フルオレセイン染色によって確認された角膜潰瘍です。


再脱出を防ぐため眼瞼縫合を実施

受傷後は炎症によって眼の周囲が大きく腫れるため、再び眼球が脱出してしまうことがあります。

そのため、一時的に眼瞼を縫合し、眼球を保護しました。

眼瞼縫合後の写真を表示する
チワワの眼球脱出 眼瞼縫合後
再脱出を防ぐため、一時的に眼瞼縫合を行いました。

術後3日目

チワワの眼球脱出 術後3日目
術後3日目

術後3日目には腫れも落ち着き始め、眼球の位置も安定していました。


術後5日目

チワワの眼球脱出 術後5日目
術後5日目

抜糸を行い、角膜の状態を再確認しました。

黄緑色に染まる部分は認められず、角膜潰瘍は改善していたため治療を終了しました。


術後1年後

チワワの眼球脱出 術後1年後
手術から約1年後

手術から約1年が経過した現在も、眼球は良好な状態を維持しています。


まとめ

  • 眼球脱出は緊急性の高い病気です
  • 眼球を残せるかどうかは、受傷から処置までの時間が重要です
  • 目が飛び出してしまった場合は、無理に戻そうとせず、できるだけ早く動物病院へ

目の異常に気付いたら、お早めにご相談ください

眼球脱出はもちろん、

  • 目が赤い
  • 白く濁っている
  • 涙が多い
  • 目を痛そうにしている
  • 目が飛び出してしまった
  • まぶたが開かない

このような症状がある場合は、早めの受診をおすすめします。

この記事を執筆した獣医師

矢内 克幸
アリス動物病院 獣医師

大学病院にて得た眼科の経験や知識から、現在は犬・猫の眼科診療を得意としつつ一般診療も行っています。

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