症例報告⑧食欲低下とともに発見された眼内炎
食欲不振と嘔吐…原因は?
「吐いているからお腹の病気かな?」と思っていたら、
実は目にも異常が見つかることがあります。
今回は、食欲不振と嘔吐で来院された猫さんで、
体内の部分的な炎症が目にも影響していたと考えられた症例をご紹介します。
「吐いているだけ」ではありませんでした
食欲がなく、嘔吐を繰り返しているとのことで来院された猫さん。
診察中に目を確認すると、 左眼が白く濁っていることに気付きました。
眼の中に炎症が起きる「眼内炎」が疑われ、 さらに全身状態についても詳しく検査を進めることになりました。
正常な眼と眼内炎の比較
眼が濁る原因は、眼だけとは限りません
猫の眼が白く濁る場合、 さまざまな原因を考える必要があります。
- 感染症(FIPなど)
- 角膜の傷
- 原因不明の炎症
- 全身性の炎症
そのため、眼だけではなく、 全身状態を確認することがとても重要になります。
検査で見えてきたこと
血液検査と超音波検査を実施しました。
- 感染症を強く疑う所見はなし
- 炎症の数値「SAA」の上昇
- 膵臓の腫れ
これらの結果から、 膵臓の炎症が引き金となり、眼にも炎症が起きている可能性 を考えました。
超音波検査で確認された膵臓の腫れ
超音波検査では、膵臓に腫れが確認されました。
全身性の炎症が起きている可能性を示す重要な所見でした。
治療と経過
眼の炎症を抑える治療と、 全身状態を整える治療を行いました。
- 嘔吐の改善
- 食欲の回復
- 眼の濁りの改善
全身状態と眼の症状の両方が、 徐々に改善していきました。
治療後の眼の状態
治療後には、眼の濁りが改善しました。
一見関係なさそうでも、実はつながっています
今回のネコちゃんは膵臓の炎症が眼内に波及したと思われます。
もし目のしょぼつきが見られるネコちゃんに下痢や嘔吐が見られた場合には症状が軽度であっても早めの来院をおすすめいたします。
気になる症状があれば、お早めにご相談ください
アリス動物病院では、 眼科診療にも力を入れています。
「ちょっと気になる」段階でも構いません。
小さな違和感が、重要なサインであることもあります。


